クローン病の障害年金に関するQ&A

文責:社会保険労務士 大原啓介

最終更新日:2023年12月05日

クローン病の障害年金に関するQ&A

Qクローン病で障害年金は受給できますか?

A

 クローン病は、口から肛門まで、消化管の様々な場所に炎症ができる病気で、腹痛、下痢、体重減少等の症状が現れます。

 10歳代後半から20歳代の若い人に発病する場合が多くみられ、いわゆる難病の一つです。

 障害年金は、障害によって労働能力や日常生活能力がどれくらい阻害されているかという視点から審査されるため、クローン病も審査の対象となり、障害の程度が障害等級に該当すると認定されると、障害年金を受給することができます。

 参考リンク:難病情報センター・クローン病

Qクローン病はどのような基準で認定されますか?

A

 クローン病には、クローン病だけに適用される認定基準はありません。

 そこで、「その他の疾患による障害」の認定基準で等級が判断されることになります。

 「その他の疾患による障害」の認定基準では、1級が自分では身の回りのことができない程度、2級が日常生活が著しい制限を受けるか、日常生活に著しい制限が必要な程度、3級が労働することに制限があるか、労働することに制限が必要な程度とされています。

Qクローン病で障害年金を申請する際のポイントは何ですか?

A

 クローン病は、他の多くの難病と同じく、症状の重さを分かりやすい数字で表すことが難しく、クローン病にだけ適用される認定基準もありません。

 また、心臓、腎臓、呼吸器の病気であれば、それらの病気向けの診断書の様式がありますが、クローン病にはそうした診断書の様式がないため、その他の障害用の診断書を用いることになります。

 医師に診断書の作成を依頼する際には、実際に現れている症状に加え、クローン病の症状によって実際に日常生活や労働にどのような影響が出ているかを、できる限り詳しく医師に伝え、診断書に記載してもらうことが大切です。

Qクローン病で障害年金を申請する場合、専門家に依頼するメリットは何ですか?

A

 障害年金の申請で大切な点は、診断書を作成する医師に障害の状態を正確に伝えることですが、医師に話すことに気が引けてしまったり、どうしても症状を軽めに言ってしまったりする場合があります。

 専門家に依頼した場合は、ご本人から症状の内容を聴き取った上で、書面の形で医師に渡すことで、障害の状態を医師に伝えることができます。

 また、病歴・就労状況等申立書を作成した場合、自分の症状を重く書きたくないという心理が働くせいか、障害の状態を軽く記載してしまいがちです。

 専門家に依頼した場合は、障害の状態をより客観的に評価して記載することが可能です。

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